奈良は日本の古都としても知られており、歴史的に重要な建築物も多いので、世界遺産も多そうなイメージですよね。実際奈良に世界遺産は何個あるのでしょうか。奈良の世界遺産を巡るモデルコースもご紹介します。

奈良の世界遺産を巡って、日本の歴史に触れてみよう!
奈良にある世界遺産は3つ

奈良には世界遺産が3つあります。1993年に登録された「法隆寺地域の仏教建造物」、1998年に登録された「古都奈良の文化財」そして2004年に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」です。
2022年現時点、世界遺産の数では岩手県・鹿児島県と並んで奈良県は第1位の登録数を誇っており、後世に伝えるべき歴史的建造物や文化財が豊富だと証明されています。
世界遺産の登録名称からもわかるように建物名をズバリ登録しているわけではなく、地域一帯の建造物や複数の集合体を成して登録するケースが多く、奈良においても同様のケースです。それぞれの登録名称の中に構成資産として建造物等が登録されています。それでは3つの世界遺産に登録されている構成資産を見てみましょう。
1993年登録「法隆寺地域の仏教建造物」

法隆寺・法起寺
「法隆寺地域の仏教建造物」は名称にも含まれる法隆寺と、法隆寺と同じ斑鳩町にある法起寺が登録されています。世界最古の木造建築の傑作であること、仏教建築物として日本の宗教建築の礎になっていること、日本独特の寺院建築を確立した代表例であることなどが評価されて世界遺産に登録されました。
1998年登録「古都奈良の文化財」

東大寺・興福寺・春日大社・春日山原始林・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城宮跡
「古都奈良の文化財」は奈良公園付近に点在している最も奈良を象徴する建造物等が多く登録されています。薬師寺・唐招提寺・平城宮跡は奈良公園付近からは離れていますが、奈良における歴史上重要な構成要素です。
奈良の建築遺産は奈良が首都の時代に開花した日本文化の唯一の証拠であること、日本建築と日本美術の進化を強く表現しており後世に重要な影響を与えたこと、奈良の仏教寺院と神社自体非常に優れた形をしていることなどが評価されて世界遺産に登録されました。
2004年登録「紀伊山地の霊場と参詣道」

吉野山・吉野水分神社・金峯神社・金峯山寺・吉水神社・大峰山寺・大峯奥駈道・熊野参詣道小辺路
※以下は奈良県以外
熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社・青岸渡寺・那智大滝・那智原始林・補陀洛山寺・熊野参詣道伊勢路・高野参詣道・丹生都比売神社・金剛峯寺・慈尊院・丹生官省符神社・熊野参詣道中辺路・熊野参詣道大辺路
「紀伊山地の霊場と参詣道」は奈良県・和歌山県・三重県に渡って登録されています。奈良県に含まれる世界遺産は吉野周辺にある歴史的建造物などです。熊野古道詣でと深く関わる世界遺産なので、奈良観光としては吉野周辺の見学にとどめ、熊野古道詣でに行く際にその他の世界遺産を巡るのがよいでしょう。
紀伊山地の記念碑や遺跡が神道と仏教の類まれな融合で東アジアの宗教交流と発展の証拠になっていること、紀伊山地の神社と仏教寺院が1000年以上に渡る日本の宗教文化の発展の証拠となり得ること、紀伊山地の遺跡と森林景観が聖山として1200年以上に渡る伝統があることなどが評価されて世界遺産に登録されました。
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奈良の世界遺産を制覇するモデルコース

奈良の世界遺産を巡るモデルコースをご紹介します。それぞれ世界遺産の見どころも含めてご紹介するので、日本の世界遺産の素晴らしさを噛みしめながら訪れてみてください。
奈良の世界遺産を制覇するためには、近鉄のフリーきっぷ「奈良世界遺産フリーきっぷ 奈良・斑鳩・吉野コース」の利用がおすすめです。発駅からフリー区間までの近鉄往復乗車券、奈良・斑鳩・吉野地区の近鉄電車乗り放題、奈良交通のバス乗り放題、施設の割引特典が付いているので、奈良の世界遺産巡りはほぼフリーきっぷでカバーできます。
有効期限は3日間なので2泊3日の旅行に最適!金額は発駅によって異なりますが、京都駅発の場合は大人3,050円です。
1日目:各地~吉野【吉野 泊】
東海道新幹線のぞみ11号(9:44 京都駅 着)
近鉄特急(11:03 橿原神宮前駅 着)
近鉄吉野線(12:17 吉野駅 着)
吉野駅より徒歩3分の吉野ロープウェイ千本口駅へ移動。
吉野ロープウェイ(12:38頃 吉野山駅 着)
※ 吉野ロープウェイはお花見シーズンおよび金土日月曜のみ運行のため、運休日は徒歩で上ります。
【世界遺産】吉野山・金峯山寺・吉水神社・吉野水分神社・金峯神社
吉野ロープウェイで吉野山へ

吉野ロープウェイは近鉄吉野駅のすぐそばにある山麓の「千本口」駅と吉野山山頂の「吉野山」駅を約3分で結ぶロープウェイです。3月下旬~4月下旬の観桜期は毎日運行、それ以外の通常期は金・土・日・月曜のみ運行しています。
通常期は始発9:20発、最終17:20発で15分間隔で運行しており、観桜期は運行数が増え始発が早まり最終が遅くなります。運賃は大人片道450円、往復800円です。
ロープウェイ運休の火・水・木曜はケーブル代行バスが運行します。ただ、本数が1時間に1本ほどしかないため満員で乗れないと1時間待つことに。その時は徒歩で吉野山まで上りましょう。と言っても何時間もかかる本格的な登山ではありません。歩いて20分ほどで行けるのでご安心ください。
吉野山はどんなところ?

吉野山といえば世界遺産もそうですが最も有名なのが桜ですね。全国的にも有名な桜スポットとして知られています。お花見シーズンはとても混雑しますが、3万本もあると言われる豪華絢爛なシロヤマザクラは一見の価値があります。
吉野では吉野山の歴史や文化、修験の世界を体感するガイドツアーが催行されています。ガイドさんの解説を聞きながら1~2時間かけてじっくり散策します。より吉野を理解したい方はぜひ利用してみましょう。こちらからチェックしてみてください!
吉野山はハイキング&路線バスで

ロープウェイの吉野山駅に着いたら、徒歩によるハイキングをベースにしつつ、うまく路線バスも利用しながら見学を進めます。吉野山は吉野駅付近から順番に「下千本」エリア、「中千本」エリア、「上千本」エリア、「奥千本」エリアと登り坂とともに続いています。
観桜期以外の通常期の路線バスは、吉野山駅より標高の低いところにある吉野神宮から各エリアを通り奥千本エリアの奥千本口まで運行しています。この路線バスに乗れば主要観光スポットへは簡単に行けますが、土日のみしか運行をしていません。観桜期の3月末~GWまでは毎日運行しますが、中千本エリアの竹林院前から奥千本口間のみでの運行になります。
路線バスが全く運行していない日に訪れる場合は徒歩で巡ることになります。吉野山駅から最も遠い奥千本エリアまでは徒歩で片道1時間45分ほどかかります。ハイキングは吉野観光の醍醐味でもあるのでぜひ足を鍛えて、徒歩をベースに計画してみましょう。路線バスが運行している日であれば、疲れた時にうまく路線バスを利用して時間短縮してみてください。
吉野山駅~(徒歩15分)~金峯山寺~(徒歩10分)~吉水神社~(徒歩1時間)~吉野水分神社~(徒歩30分)~金峯神社~(徒歩15分)~奥千本口バス停~(バス15分)~竹林院前バス停~(徒歩)~宿泊施設
金峯山寺
金峯山寺は金峯山修験本宗の総本山で、飛鳥時代に役小角が開いたとされています。堂宇は木造建築として東大寺大仏殿に次ぐ大きさを誇ります。本尊は蔵王堂にある高さ7mの3体の蔵王権現。普段は非公開のため日本最大の秘仏とも呼ばれています。
施設名 | 金峯山寺 |
住所 | 奈良県吉野郡吉野町吉野山 |
電話番号 | 0746-32-8371 |
拝観時間 | 本堂蔵王堂 8:30~16:00 塔頭脳天大神龍王院 8:30~16:00 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | <蔵王堂>大人800円 中高生600円 小学生400円 <秘仏御本尊特別ご開帳時>大人1,600円 中高生1,200円 小学生800円 |
アクセス | 吉野ロープウェイ「吉野山」駅より徒歩10分 |
公式サイト | https://www.kinpusen.or.jp/ |
吉水神社
吉水神社は西暦600年代の白鳳年間に金峯山寺の僧坊の吉水院として役小角により建立されたと言われています。明治時代の初めに、後醍醐天皇・楠木正成・宗伸法印を祀る神社へ改められました。
追ってくる源頼朝から源義経が静御前・弁慶らと共に身を隠したこと、後醍醐天皇の行宮になったこと、豊臣秀吉がお花見の本陣にしたことなど名立たる歴史上の人物の逸話が残っている場所です。
施設名 | 吉水神社 |
住所 | 奈良県吉野郡吉野町吉野山579 |
電話番号 | 0746-32-3024 |
拝観時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | <書院>大人600円 中高生400円 小学生300円 |
アクセス | 吉野ロープウェイ「吉野山」駅より徒歩15分 |
公式サイト | https://www.yoshimizu-shrine.com/ |
吉野水分神社
吉野水分神社は水の配分を司る天之水分大神を主神としている神社です。読み方は「よしのみくまり」神社。“みくまり”が訛って“みこもり”になったことから子授けの神として信仰されています。
創建については不明ですが、1604年に豊臣秀頼が再建したと言われています。桃山時代の文化が色濃く残る重要文化財の本殿・拝殿・弊殿・楼門・回廊で構成されています。非公開の国宝の木造玉依姫命坐像は鎌倉時代に作られたものです。
施設名 | 吉野水分神社 |
住所 | 奈良県吉野郡吉野町吉野山1612 |
電話番号 | 0746-32-3012 |
拝観時間 | 8:00~16:00(4月のみ8:00~17:00) |
定休日 | 無 |
拝観料金 | 無料 |
アクセス | 吉野ロープウェイ「吉野山」駅より徒歩約1時間20分 |
金峯神社
金峯神社は吉野山の地主神である金山毘古命を祀っている神社です。中世以降、修験道の修行場となっており、藤原道長が祈願した場所として栄華物語に記されています。源義経が弁慶らと潜伏したことから名づけられた義経隠れ塔が残っていて、見どころになっています。
施設名 | 金峯神社 |
住所 | 奈良県吉野郡吉野町吉野山1651 |
電話番号 | 090-3261-9968 |
拝観時間 | 常時開放 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | <義経隠れ塔>300円(要予約) |
アクセス | 吉野山奥千本口ライン「奥千本口」バス停より徒歩15分 |
吉野のおすすめ旅館「竹林院群芳園」
吉野のおすすめ旅館は「竹林院群芳園」です。金峯山寺の蔵王堂から徒歩5分のところにあり、吉野山を散策しながら旅館へ辿り着けます。1万坪もある敷地に素晴らしい庭園が広がり、春夏秋冬で異なる表情が見られます。
歴史深い旅館で、元々は山伏修験者の宿坊として利用されたのが始まりです。豊臣秀吉の遺品が残っていたり、有名な文人が宿泊したりと格式高さを感じられる客室です。食事は吉野の名産の葛を使った会席料理を中心に提供しています。大和三庭園の一つ「群芳園」を眺めながら入る露天風呂も自慢で、至福のひと時を過ごせます。
2日目:吉野~奈良市内【奈良市内 泊】
旅館の送迎バス
近鉄南大阪・吉野線(10:12 橿原神宮前駅 着)
近鉄特急
徒歩
奈良交通(11:42 唐招提寺東口バス停 着)
奈良交通(13:03 近鉄奈良駅バス停 着)
昼食後、奈良市内の宿泊ホテルへ荷物を預けたら、徒歩で奈良公園へ移動。
【世界遺産】東大寺・春日大社・春日山原始林
薬師寺の見どころ

薬師寺は法相宗の大本山の仏教寺院です。680年に天武天皇の発願で飛鳥の藤原京に造営が開始され、697年に完成しました。その後藤原京から平城京へ遷都し、8世紀初めに西ノ京の現在の地に移転されました。
中央に薬師三尊像を祀る金堂、東西に2基の塔があるこの配置は日本初の伽藍配置で、薬師寺式伽藍配置と呼ばれています。金堂や東西の塔・大講堂など主要な塔堂の各層に裳階(もこし)が付けられ、その壮麗な姿から「龍宮造り」と称されました。
必ず見ておきたいのは東塔。焼失被害の多かった薬師寺の中で、創建当初から唯一現存している平城京最古の建造物です。屋根の大小が絶妙に美しいバランスで、「凍れる音楽」とも称されています。
施設名 | 薬師寺 |
住所 | 奈良県奈良市西ノ京町457 |
電話番号 | 0742-33-6001 |
拝観時間 | 8:30~17:00 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | <1/1-1/8・3/1-6/30・4/29-5/8・8/13-8/15・9/16-11/30> 拝観可能場所:金堂・大講堂・東院堂・玄奘三蔵院伽藍・西塔初層東面開扉 拝観料金:大人1,100円 中高生700円 小学生300円 <上記以外の期間> 拝観可能場所:金堂・大講堂・東院堂 拝観料金:大人800円 中高生500円 小学生200円 |
駐車場 | 有 |
アクセス | 近鉄「西ノ京」駅より徒歩1分 |
公式サイト | https://yakushiji.or.jp/ |
唐招提寺の見どころ

唐招提寺は律宗の総本山の寺院です。本尊は廬舎那仏で、759年に唐出身の僧・鑑真が創建しました。創建された奈良時代中期から後期にかけての貴重な建築や仏像を今に残しています。境内には金堂・講堂・校倉・鼓楼をはじめとした伽藍が立ち並び、いずれも国宝です。
金堂は唯一現存している奈良時代の本格的な金堂建築。金堂内には盧舎那仏像・薬師如来立像・千手観音立像などが安置されています。天平彫刻の傑作も多く安置されており、中でも御影堂の鑑真和上像は現存する最古の肖像彫刻であり、貴重な遺品です。
施設名 | 唐招提寺 |
住所 | 奈良県奈良市五条町13-46 |
電話番号 | 0742-33-7900 |
拝観時間 | 8:30~17:00 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | 大人1,000円 高校生400円 中学生400円 小学生200円 ※特別展は別途以下料金が必要 <国宝 鑑真和上坐像 特別公開> 大人500円 高校生400円 中学生400円 小学生300円 <新宝蔵> 大人200円 高校生100円 中学生100円 小学生100円 |
駐車場 | 有 |
アクセス | 近鉄「西ノ京」駅より徒歩8分 |
公式サイト | https://toshodaiji.jp/ |
近鉄奈良駅周辺のおすすめグルメ

近鉄奈良駅周辺は商店街もあり、食事ができるスポットがたくさんあります。せっかくなので奈良らしいランチを堪能してみてはいかがでしょうか。
おすすめは、「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」のランチプラン。近鉄奈良駅より徒歩7分ほどのところにあるホテルで、明治創業の蔵元が昔酒蔵として使用していた建物をそのままホテルにリノベーションしているので、古き良き古都奈良の雰囲気を存分に味わえます。
ランチでは土間をリノベーションしたレストランで、地元奈良の旬の食材を使用した創作料理のコースを食べられます。目にも舌にも美しい絶品揃い。ホテルのテーマである日本酒に合うよう味付けが工夫されているので、ぜひ日本酒と一緒にいただきましょう。
ランチだけではなく宿泊もしてみたい!という方はこちらからチェックしてみてください。
奈良の名物グルメといえば柿の葉ずし。一口大のシャリに鯖や鮭などの切り身を乗せて、柿の葉で包み押しをかけたお寿司です。奈良では柿の葉ずしを作る体験ができます。自分で作った奈良の名物グルメを食べてみましょう。こちらからチェックしてみてください!
東大寺の見どころ

東大寺は華厳宗の大本山の寺院で、本尊の奈良大仏が有名すぎるほど有名です。正式には東大寺盧舎那仏像と言い、国宝に指定されています。745年に聖武天皇の発願で制作が開始され、752年に開眼供養会が行われました。像の高さは約14.7mもあり、圧倒的な迫力。大仏が安置されている大仏殿も正面の幅が57.5mもあり、世界最大の木造軸組建築と言われています。
見どころが多い東大寺ですが、奈良大仏と合わせて必ず見ておきたいのが南大門の木造金剛力士立像。南大門は中国の宋から伝わった建築様式の大仏様(だいぶつよう)を採用した建築として有名です。
木造金剛力士立像は高さ8.4mもある巨大な木像で、右側に吽形(うんぎょう)という名の口を閉じた像、左側に阿形(あぎょう)という名の口を開いた像があります。睨みのきいた迫力ある姿・表情に注目して見てみましょう。
施設名 | 東大寺 |
住所 | 奈良県奈良市雑司町406-1 |
電話番号 | 0742-22-5511 |
拝観時間 | <4月~10月> 大仏殿 7:30~17:30 法華堂(三月堂)・戒壇院千手堂 8:30~16:00 東大寺ミュージアム 9:30~17:30 <11月~3月> 大仏殿 8:00~17:00 法華堂(三月堂)・戒壇院千手堂 8:30~16:00 東大寺ミュージアム 9:30~17:00 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | 大人600円 高校生600円 中学生600円 小学生300円 ※大仏殿・法華堂・千手堂・東大寺ミュージアムそれぞれで入堂料の支払いが必要です。 |
駐車場 | 有 |
アクセス | 近鉄「近鉄奈良」駅より徒歩20分 |
公式サイト | https://www.todaiji.or.jp/ |
東大寺・春日大社を奈良観光ガイドと一緒に巡れます。ガイドの方は専属なので、好きなポイントを好きなペースで回り解説をしてもらえます。奈良の歴史にじっくり触れてみてはいかがでしょうか。こちらからチェックしてみてください!
春日大社の見どころ

春日大社は春日山原生林を背景に佇む神社で、鮮やかな朱塗りの社殿が特徴的です。全国に約1000社ある春日神社の総本社で、768年に平城京の守護と国民の繁栄を祈願して創建されました。中臣氏と藤原氏の氏神を祀っています。
主祭神の武甕槌命(たけみかづち)が白い鹿に乗ってやってきたと伝えられたことから、鹿を神の使いとしています。奈良に鹿がたくさんいるのは、鹿が神の使いと崇められて大切に保護されてきたからなのです。奈良の鹿とも繋がりが深い春日大社です。

境内にあるさまざまな形をした万燈籠も見どころ。釣燈籠や石燈籠があり、多くは庶民の寄進によるものだと言います。庶民信仰の深さを伺い知れるでしょう。毎年2月節分の日と8月14・15日に燈籠に火を入れる万燈籠の神事が行われ、その幻想的で美しい光景から参拝客を魅了しています。
施設名 | 春日大社 |
住所 | 奈良県 奈良市春日野町160 |
電話番号 | 0742-22-7788 |
拝観時間 | <御本殿参拝所>3月~10月:6:30~17:30 11月~2月:7:00~17:00 <夫婦大国社>9:00~16:30 <御祈祷所>9:00~16:00 <国宝殿>10:00~17:00 <萬葉植物園>9:00~16:30 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | <御本殿参拝所>無料 <特別参拝>500円 <国宝殿>一般500円 大学生・高校生300円 中学生・小学生200円 <萬葉植物園>大人500円 小人250円 |
駐車場 | 有 |
アクセス | 近鉄「近鉄奈良」駅より徒歩25分 |
公式サイト | https://www.kasugataisha.or.jp/ |
奈良公園周辺は観光人力車があります。見どころはたくさんあるものの、歩くとかなり時間がかかる奈良公園・ならまち。人力車を利用してラクに優雅に巡ってみませんか?こちらからチェックしてみてください。
春日山原生林の見どころ

春日山原生林は奈良市街の東に位置する原生林で、約250haの広さがあります。春日大社の神域とされていたため、昔から狩猟や伐採が禁止され、積極的に保護されたことから手付かずの原生林を今に残しています。市街地に原生林が存在していること自体が貴重なため、特別天然記念物に指定されています。
他の世界遺産施設の見学を考えると春日山原生林をたっぷり散策することは難しいですが、3月中旬~12月中旬の季節限定で若草山周遊コースが設けられます。全長約4.5kmと比較的短時間で歩けるコースなので、時間があれば散策してみましょう。
水谷神社・茶屋~(約2.5km)~鎌研交番所~(約0.5km)~若草山山頂~(約1.5km)~若草山麓
全長:約4.5km
期間:3月中旬~12月中旬
奈良市内のおすすめホテル「いろはグランホテル近鉄奈良駅前」
吉野では旅館タイプだったので、奈良では雰囲気の違うホテルタイプはいかがでしょうか。「いろはグランホテル近鉄奈良駅前」は2022年にオープンした新しいホテルで、近鉄奈良駅より徒歩2分という好立地にあります。東大寺や興福寺ももちろん徒歩圏内です。
客室はダブルベッドのダブルルームとハリウッドスタイルのツインタイプの2タイプがあります。奈良の伝統色をインテリアに取り入れており、スタイリッシュでありながら落ち着いた空間になっています。全室でシモンズベッドを導入しており、質の高い眠りにもこだわっています。それでいて宿泊料金は格安設定のため、コスパ最強のホテルです。
3日目:奈良市内~斑鳩~各地
徒歩
徒歩
徒歩
近鉄難波・奈良線(11:00 大和西大寺駅 着)
大和西大寺駅からは徒歩で移動。
大和西大寺付近で昼食
近鉄橿原線(13:43 近鉄郡山駅 着)
JR大和路快速(14:11 法隆寺駅 着)
奈良交通(14:28 法隆寺参道バス停 着)
徒歩
タクシーで法隆寺駅へ
JR関西本線(16:46 天王寺駅 着)
JR大阪環状線特急はるか(17:05 新大阪駅 着)
東海道新幹線のぞみ40号
元興寺の見どころ

元興寺は蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の仏教寺院の法興寺が、平城京遷都のため平城京内に移転した寺院です。昔は南都七大寺の一つで、現在のならまち界隈の大半を含む非常に広い寺院でしたが、現在は極楽堂と禅室を残すのみとなっています。
極楽堂と禅室には飛鳥時代の柱や瓦が今も一部に使われており、禅室は天平時代の僧坊の形を今に残す貴重な遺構とされています。禅室では定期的に座禅体験を行っているので、心を静めて心身ともに浄化してみてはいかがでしょうか。
元興寺があるならまちは江戸時代から明治時代にかけての町家が多く残っており、古い良き奈良の文化を伺い知れます。ならまち散策も一緒に楽しんでみましょう。
施設名 | 元興寺 |
住所 | 奈良県奈良市中院町11 |
電話番号 | 0742-23-1377 |
拝観時間 | 9:00~17:30 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | 大人500円(秋季特別展期間中は600円) 中高校生300円 小学生100円 |
駐車場 | 有 |
アクセス | 近鉄「近鉄奈良」駅より徒歩15分 |
公式サイト | https://gangoji-tera.or.jp/ |
興福寺の見どころ

興福寺は法相宗の大本山の寺院です。藤原鎌足の発願の釈迦三尊像を本尊として、669年に創建した山階寺が起源と言われています。672年山階寺は藤原京遷都に際して厩坂寺となり、710年平城京遷都に際して興福寺となりました。
天平文化の面影が残る高さ約50mの木造の五重塔は奈良のシンボルにもなっています。夜にはライトアップされ、幻想的な光景が見られます。仏像ブームに乗って全国的にも人気を集めているのが国宝館にある阿修羅像。天平文化を代表する仏像彫刻で、国宝にも指定されています。端正な顔立ちとスタイルで仏像ファンを魅了しています。
施設名 | 興福寺 |
住所 | 奈良県奈良市登大路町48 |
電話番号 | 0742-22-7755 |
拝観時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | <国宝館>大人700円 中高校生600円 小学生300円 <東金堂>大人300円 中高校生200円 小学生100円 <中金堂>大人500円 中高校生300円 小学生100円 |
駐車場 | 有 |
アクセス | 近鉄「近鉄奈良」駅より徒歩5分 |
公式サイト | https://www.kohfukuji.com/ |
平城宮跡の見どころ

平城宮跡は710年に藤原京から遷都された平城京の中心の宮跡です。東西1.3km・南北1kmという広さを誇り、内部には国の政治や儀式を執り行う大極殿・朝堂院、天皇のいる内裏、行政機関にあたるさまざまな役所、宴会の場になった庭園など国の重要施設が集まっていました。
木造建築だったため当時の構造物は失われていますが、1998年に朱雀門・東院庭園、2010年に第一次大極殿と次々に復元され、現在は平常宮跡歴史公園として平城京の歴史や文化を学べるスポットとなっています。現在も復元事業は続いており、2018年には朱雀大路と二条大路の整備が整い、朱雀門ひろばがオープンしました。
朱雀門ひろばには出土品や資料を公開している「平城宮いざない館」、インフォメーションセンターや奈良の特産品を販売する「天平みつき館」、広大な公園を眺めながら食事ができる「天平うまし館」、展望デッキやVRシアターがある「天平みはらし館」、待ち合わせ場所や休憩所として使える「天平つどい館」の5つの館があります。奈良の歴史・文化・食に触れ合ってみましょう。
平城宮跡のある大和西大寺駅付近には飲食店がたくさんあります。こちらから検索してランチスポットを見つけてみましょう。
法隆寺の見どころ

法隆寺は聖徳宗の総本山の寺院で、斑鳩寺とも呼ばれています。7世紀に創建され、聖徳太子ゆかりの寺院として知られています。金堂と五重塔がある西院伽藍、夢殿がある東院伽藍から成り立っており、西院伽藍は世界最古の木造建築で有名です。日本で初めて世界遺産に登録された実績があることからも、法隆寺が貴重で格別な寺院であることがわかります。
施設名 | 法隆寺 |
住所 | 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1 |
電話番号 | 0745-75-2555 |
拝観時間 | <2/22~11/3>8:00~17:00 <11/4~2/21>8:00~16:30 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | 一般1,500円 小学生750円 |
駐車場 | 有 |
アクセス | JR「法隆寺」駅より徒歩20分 |
公式サイト | http://www.horyuji.or.jp/ |
法起寺の見どころ

法起寺は聖徳宗の寺院で、昔は岡本寺・池後寺とも呼ばれていました。聖徳太子が法華経を講じた岡本宮の跡地と言われており、聖徳太子の遺言によって山背大兄王が岡本宮を法起寺に改めたのが起源とされています。
創建当時の建物としては国宝に指定されている706年完成の三重塔のみが残っており、現存する三重塔の中では日本で最古のものになります。法隆寺から法輪寺・法起寺の順で歩いて行けるようになっているので、このルートで見学してみてください。
施設名 | 法起寺 |
住所 | 奈良県生駒郡斑鳩町岡本1873 |
電話番号 | 0745-75-2555 |
拝観時間 | <2/22~11/3>8:00~17:00 <11/4~2/21>8:00~16:30 |
定休日 | 無 |
拝観料金 | 一般300円 小学生200円 |
駐車場 | 無 |
アクセス | 奈良交通「法起寺」バス停よりすぐ |
公式サイト | http://www.horyuji.or.jp/hokiji/ |
法隆寺・法起寺のある斑鳩エリアは交通の便があまりよくありません。斑鳩エリアの寺院を巡るには徒歩だとかなり体力が必要なので、自転車があると便利です。法隆寺のそばでは自転車を借りられます。レンタサイクルを利用したい方はこちらをチェックしてみてください!
旅行予約は近畿日本ツーリストのダイナミックパッケージがおすすめ!
奈良の世界遺産を巡る旅行を予約するには近畿日本ツーリストのダイナミックパッケージがおすすめです。近畿日本ツーリストはその名の通り近畿圏の旅行に強いので、奈良のホテルや旅館の選択肢も非常に多く、安心して任せられます。
さらにダイナミックパッケージなら思い通りに旅をアレンジできます。1泊目・2泊目で別の場所の宿泊予約ができ、往復の発着駅も変更できます。旅の組み立ては直感的にクリックしていくだけなのでとても簡単。近畿日本ツーリストのダイナミックパッケージを利用して、思い通りの奈良旅行を作ってみてください。
まとめ
奈良の世界遺産をモデルコースと共にご紹介してきました。奈良の世界遺産はどこも日本の歴史に直結する施設ばかりで、とても貴重な遺産です。じっくりと日本の歴史と触れ合う旅にしてみてくださいね。