「草津温泉と伊香保温泉、どっちに行くべき?」——群馬の二大温泉地で迷っている方は多いはずです。
結論からお伝えすると、温泉そのものを満喫したいなら草津、アクセスと気軽さを取るなら伊香保です。
ただし、ひとつ知っておいてほしいことがあります。伊香保は「気軽」とは限りません。 観光のメインが365段の石段なので、現地では意外と体力を使うのです。
私は草津温泉に2〜3回訪れています。何度も足を運んでいるのは、それだけ湯の魅力が強いから。一方伊香保は未訪問なので、そちらは公開情報をもとに整理します。
この記事では、元旅行会社の営業兼添乗員としての視点も交えて、泉質・観光・グルメ・アクセスの4項目で比較します。
この記事でわかること
- 温泉重視と気軽さ重視の選び分け
- 伊香保の石段365段という落とし穴
- 草津が日本一と言われる根拠
- 両方はしごする1泊2日プラン
- 冬に行くときの注意点
結論|温泉か気軽さで選ぶ

草津と伊香保は、同じ群馬でも性格がまったく違う温泉地です。
3秒でわかる早見表
まず自分がどちらに近いか、確認してください。
| あなたのタイプ | おすすめ |
|---|---|
| 温泉そのものを満喫したい | 草津 |
| アクセス重視・気軽に行きたい | 伊香保 |
| 湯巡り・外湯めぐりが好き | 草津 |
| カップル・女子旅でレトロな雰囲気 | 伊香保 |
| 子連れ・肌が弱い人と一緒 | 伊香保 |
| 泊まりがけでじっくり過ごしたい | 草津 |
| 夏の避暑を兼ねたい | 草津 |
| 石段を登る体力に不安がある | 草津 |
最後の項目に注目してください。 意外に思われるかもしれませんが、理由は後ほど説明します。
草津を選ぶべき人
私が草津に何度も足を運んでいる理由は、湯そのものの強さにあります。
- 源泉かけ流しを堪能したい
- 外湯めぐりで1日に何度も入りたい
- 「効いてる」という実感がほしい
- 夏でも涼しい場所で過ごしたい
草津は標高1,200mの山あいにあり、東京が猛暑日でも20℃台で過ごせます。夏の避暑地としての価値は、意外と知られていません。
伊香保を選ぶべき人
一方、次に当てはまる方は伊香保が向いています。
- 東京から2時間半で行きたい
- レトロな街並みで写真を撮りたい
- 肌が弱く、刺激の強い湯は避けたい
- 温泉以外の観光も楽しみたい
伊香保は東京から日帰りも可能な距離です。「温泉に強いこだわりはないけれど、温泉地の雰囲気を味わいたい」という方には、伊香保のほうが満足度は高くなります。
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伊香保は気軽とは限らない

ここが、この記事で最もお伝えしたいポイントです。
石段365段を登る観光
伊香保温泉の代名詞は、365段続く石段街です。両脇に射的場・お土産屋・古民家カフェが並び、まるでお祭りのような賑わいを見せます。
ただしこれは「観光スポット」であると同時に「階段」です。
- 石段の最上段に伊香保神社がある
- お店を見て回るには登り降りが必要
- 石段の途中に休憩できる場所は限られる
「レトロな街並みを歩く」というイメージだけで行くと、想像以上に体力を使います。
坂道が多く体力を使う
さらに伊香保は、石段以外にも坂道が多い温泉地です。
温泉街全体が山の斜面に築かれているため、平坦な道を探すほうが難しいというのが実情です。宿の立地によっては、駐車場から玄関までも坂になります。
東京から2時間半という近さは、あくまで「移動」の話です。現地に着いてからの負担は、別で考える必要があります。
草津の湯畑周辺は平坦
対する草津は、温泉街の中心部が比較的フラットです。
湯畑を囲むように土産物店や飲食店が並び、歩き回っても高低差をあまり感じません。私が何度訪れても疲れを感じにくいのは、この構造のおかげだと思っています。
つまり——
| 移動の負担 | 現地での負担 | |
|---|---|---|
| 草津 | 大きい(東京から約4時間) | 小さい(平坦) |
| 伊香保 | 小さい(東京から2時間半) | 大きい(365段+坂道) |
高齢の方や足腰に不安がある方には、実は草津のほうが向いている場合があります。
ただし伊香保にも、エレベーター付きの宿や石段を避けたルートがあります。予約前に宿の立地を確認しておけば、負担はかなり減らせます。
泉質は草津が圧勝する

温泉そのものの実力を比較すると、差は歴然です。
毎分32300Lは日本一
草津は日本三名泉のひとつで、観光経済新聞社の「にっぽんの温泉100選」で20年以上連続1位を獲得しています。
| 項目 | 草津 | 伊香保 |
|---|---|---|
| 自然湧出量 | 毎分32,300L(日本一) | 毎分約4,600L |
| 源泉数 | 100箇所以上 | 13箇所 |
| 泉質 | 強酸性・硫黄泉(pH2前後) | 硫酸塩泉・メタケイ酸泉 |
湧出量は約7倍の差があります。この差は「源泉かけ流しの宿の多さ」に直結し、草津では新鮮なお湯を独占できる環境が整っています。
強酸性でピリピリする
草津の湯に初めて入ったとき、手で触れただけでピリピリする感覚に驚きました。pH2前後という強酸性で、「恋の病以外なら何でも治る」と言われるほどの殺菌力です。
湯上がりは肌がキュッと引き締まり、「効いている」という実感がはっきりあります。何度も草津に足を運んでいるのは、この感覚が忘れられないからです。
ただし肌が弱い方には刺激が強すぎることもあります。ここは正直にお伝えしておきます。
伊香保は2つの源泉がある
伊香保には2種類の異なる源泉があります。
| 源泉 | 色 | 特徴 |
|---|---|---|
| 黄金の湯 | 茶褐色 | 鉄分豊富・子宝の湯 |
| 白銀の湯 | 無色透明 | マイルド・美肌効果 |
黄金の湯は刺激が少なく、赤ちゃんの温泉デビューにも使える優しさとされています。草津の強酸性泉とは対照的です。
湯量では草津に及びませんが、「ゆっくり長湯したい」なら伊香保のほうが向いています。
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観光の楽しみ方が違う

温泉以外の楽しみ方も、2つの温泉地で分かれます。
草津は湯畑と外湯めぐり
草津のシンボルが、温泉街の中心にある湯畑(ゆばたけ)です。毎分4,000リットルの温泉が湧き出し、湯けむりと硫黄の香りが立ち込めます。
夜のライトアップは特に印象的でした。昼と夜で表情がまったく変わるので、宿泊すれば両方楽しめます。
そして草津最大の魅力が外湯めぐりです。
| 施設名 | 特徴 |
|---|---|
| 御座之湯 | 湯畑そばの大浴場・木造の趣 |
| 大滝乃湯 | 合わせ湯(湯治場体験) |
| 西の河原露天風呂 | 500㎡の大露天風呂 |
| 白旗の湯ほか共同浴場 | 地元民御用達・無料で利用可 |
1日に複数の温泉をハシゴできるのは、湯量が豊富な草津ならではです。
伊香保は石段街と周辺観光
伊香保の観光は、石段街を中心とした街歩きです。
- 伊香保神社(石段の最上段・パワースポット)
- 河鹿橋(秋の紅葉ライトアップが絶景)
- 伊香保ロープウェイ
さらに周辺には伊香保グリーン牧場や榛名湖があり、温泉以外の観光の幅は伊香保のほうが広いのが特徴です。
草津が「温泉中心の凝縮型」なら、伊香保は「温泉+周辺観光型」と言えます。
子連れなら伊香保が有利
家族旅行では、この差がはっきり出ます。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 泉質がマイルド | 赤ちゃんの温泉デビューにも |
| 周辺観光が充実 | グリーン牧場で動物ふれあい |
| アクセスが楽 | 移動時間が短く子どもの負担が少ない |
草津の強酸性泉は刺激が強く、小さなお子様には不向きです。家族で気兼ねなく楽しめるのは伊香保でしょう。
ただし石段365段は子連れには負担なので、そこは差し引いて考えてください。
グルメは伊香保が一歩上

食の楽しみも比較しておきましょう。
水沢うどんは日本三大
伊香保の最大のグルメが、日本三大うどんのひとつ「水沢うどん」です。
コシのある麺を濃厚な胡麻だれでいただくスタイルで、名店の「大澤屋」「水澤亭」は行列ができるほどの人気を誇ります。
「これを食べるために伊香保へ行く」と言えるだけの看板メニューがあるのは強みです。
🍜 水沢うどんを自宅でも味わいたい方は、名店「大澤屋」の水沢うどんのお取り寄せが便利。本場のコシと胡麻だれを楽しめます。
草津は食べ歩きが中心
草津のグルメは、湯畑周辺での食べ歩きが主体です。
- 温泉まんじゅう(店頭で試食できる店も)
- 温泉たまご
- 舞茸天ぷらそば
浴衣で湯畑周辺を歩きながらつまむのが草津らしい楽しみ方です。がっつり食事というより、湯めぐりの合間に軽く食べるスタイルになります。
温泉まんじゅうの発祥地
意外と知られていませんが、あの茶色い温泉まんじゅう(湯の花まんじゅう)の発祥は伊香保です。
明治期に勝月堂が考案したもので、今では全国の温泉地で定番となっているお土産のルーツがここにあります。伊香保に行くなら、発祥の店で食べる価値があります。
アクセスは伊香保が近い

移動のしやすさでは、伊香保に明確な優位があります。
東京から2時間半と4時間
東京からの所要時間を比較します。
| 出発地 | 草津 | 伊香保 |
|---|---|---|
| 東京駅(高速バス) | 約4時間 | 約2時間30分 |
| 新宿(高速バス) | 約4時間 | 約2時間30分 |
| 電車利用 | 新幹線+バスで約3時間半 | 新幹線+バスで約2時間 |
差は約1時間半です。伊香保は渋川駅からバスで約20分という近さで、日帰り温泉旅行も現実的な範囲になります。
草津は標高1200mの山中
一方、草津は標高1,200mの山あいにあります。移動時間が長いのは、この立地が理由です。
ただしこの標高が、夏の避暑地としての価値を生んでいます。東京が猛暑日でも草津は20℃台。夏に訪れる草津は、想像以上に快適でした。
「遠いけれど草津に行く価値はあるのか」——旅行手配の現場でよく聞かれた質問ですが、答えは「温泉好きなら絶対にある」です。
冬はスタッドレスが必須
車で行く方は、12月〜3月は必ずスタッドレスタイヤ(またはチェーン)を装着してください。
- 草津は標高1,200mで路面凍結が日常的
- 12〜3月は積雪も頻繁
- 伊香保周辺に雪がなくても、草津へ向かう道中で急に雪国になる
雪道運転に不安があるなら、東京・新宿から草津への直通高速バスが安心です。
両方回る1泊2日プラン

「せっかくの群馬旅行、両方行きたい」という方へ。1泊2日で両方回るプランをお伝えします。
伊香保から草津の順
順番には理由があります。1日目に伊香保、2日目に草津がおすすめです。
| 時間 | 1日目(伊香保) |
|---|---|
| 10:00 | 東京駅出発 → 渋川駅へ |
| 12:30 | 水沢うどんでランチ |
| 14:00 | 石段街散策・伊香保神社参拝 |
| 16:00 | 草津へ移動(約1時間半) |
| 17:30 | 草津温泉着・宿でゆっくり |
| 時間 | 2日目(草津) |
|---|---|
| 朝 | 湯畑の朝散策・宿の朝食 |
| 10:00 | 湯もみショー鑑賞(熱乃湯) |
| 12:00 | 湯畑周辺で食べ歩き |
| 14:00 | 西の河原露天風呂で入浴 |
| 16:00 | 草津出発 → 東京へ |
伊香保を先にするのは、石段で体力を使う観光を元気なうちに済ませるためでもあります。
移動は約1時間半
草津と伊香保の間の移動手段を整理します。
| 手段 | 所要時間 | 料金目安 |
|---|---|---|
| レンタカー | 約1時間30分 | ガソリン代+レンタル代 |
| 路線バス(乗り継ぎ) | 約2時間 | 約2,500円 |
| タクシー | 約1時間20分 | 約15,000円 |
公共交通だと乗り換えが多くなるため、両方回るならレンタカーが最も効率的です。
泊まるなら草津がおすすめ
1泊2日で両方回るなら、宿泊は草津にしてください。理由は3つあります。
- 草津の湯は朝・夜とゆっくり浸かりたい名湯
- 湯畑のライトアップは泊まらないと味わえない
- 翌朝の湯畑散策は観光客が少なくおすすめ
伊香保は日帰りや半日観光でも十分楽しめます。「温泉に泊まる」醍醐味は、草津のほうが圧倒的に大きいというのが、何度も泊まった実感です。
関東のもうひとつの二大温泉、箱根と熱海の比較はこちらです。

かわいいお猿さんが草津伝統の「湯もみ」に挑戦します。草津温泉でしか見られない特別なショーはまさに圧巻。思い出に残ること間違いなしのパフォーマンスなので、ぜひ鑑賞してみましょう!
おすすめ旅館を紹介

それぞれの魅力を味わえる宿をご紹介します。
草津の名宿は奈良屋
草津で紹介したいのが「奈良屋」です。明治10年創業の老舗で、職人が手作業で湯温を調整する「湯守(ゆもり)」がいる宿として知られています。
草津最古の白旗源泉を、最も贅沢な状態で楽しめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 群馬県吾妻郡草津町草津396 |
| チェックイン/アウト | 15:00/11:00 |
| アクセス | 草津バスターミナルより無料送迎あり |
| 駐車場 | なし |
駐車場がない点は要注意です。車で行く場合は、周辺の駐車場を事前に確認してください。
伊香保はホテル木暮
伊香保の代表格が「ホテル木暮」です。私は宿泊していないため、情報としてお伝えします。
黄金の湯の総湧出量の約4分の1を保有する老舗で、1,300坪という圧倒的な広さの大浴場が特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 群馬県渋川市伊香保町135 |
| チェックイン/アウト | 15:00/10:00 |
| アクセス | 渋川駅よりバス約30分・下車後無料送迎あり |
| 駐車場 | あり |
館内で湯めぐり気分を味わえる規模なので、石段を歩き回る体力に不安がある方にも向いています。
予約は2〜3ヶ月前に
お得に泊まるためのコツをお伝えします。
- 2〜3ヶ月前の早期予約:
- 人気宿の早割プランが選べる
- 平日(特に火・水曜):
- 週末より20〜30%安いことも
- 連休の前後:
- 混雑を避けつつ宿泊代も抑えられる
紅葉シーズン(10〜11月)の伊香保は特に人気なので、3ヶ月前の予約が鉄則です。
よくある質問にお答え

計画段階で迷いやすい点をまとめました。
日帰りならどっちか
滞在スタイルによる違いです。
浴衣で歩けるのは
温泉街の雰囲気についてです。
季節別のおすすめは
訪問時期による違いもあります。
| 季節 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 春(4〜5月) | 伊香保 | 桜と新緑が美しい |
| 夏(6〜8月) | 草津 | 標高1,200mで涼しい |
| 秋(10〜11月) | 伊香保 | 河鹿橋の紅葉ライトアップ |
| 冬(12〜3月) | 草津 | 雪見温泉と熱々の湯 |
特に夏の草津は知る人ぞ知る避暑地です。都心が猛暑でも、標高のおかげで快適に過ごせます。
北海道の登別温泉と洞爺湖温泉の比較もどうぞ。

まとめ|群馬の温泉選び
草津と伊香保は、同じ群馬でもまったく違う性格の温泉地です。
草津に2〜3回通っている立場から言えば、あの強酸性の湯と湯畑の光景は、何度行っても飽きません。移動に4時間かかっても、それだけの価値があると感じています。
最後に、判断のポイントを整理します。
- 温泉重視なら草津。湧出量は日本一、外湯めぐりも楽しめます
- アクセス重視なら伊香保。東京から2時間半で日帰りも可能
- 伊香保は365段の石段が観光のメイン。体力に不安があるなら草津のほうが楽な場合も
- 子連れ・肌が弱い方は伊香保。泉質がマイルドです
- 夏は草津が避暑地に。標高1,200mで20℃台
- 両方回るなら伊香保→草津。宿泊は草津がおすすめ
どちらを選んでも、群馬の名湯はしっかり応えてくれます。自分の旅の目的に合うほうを選んでください。
大分の別府と湯布院の比較記事もご用意しています。




