山口県最古の温泉地として約600年の歴史を持つ長門湯本温泉。その中心部に2020年3月12日、温泉街再生の旗振り役として誕生したのが「星野リゾート 界 長門」です。
江戸時代の藩主が休んだ「御茶屋屋敷」をイメージした建築は、一歩足を踏み入れた瞬間から日常を忘れさせてくれる品格に満ちています。この記事では、2025年8月に実際に宿泊した筆者が、その魅力を余すことなくお伝えします。
界 長門へのアクセスと移動の注意点

界 長門は非常に静かで情緒ある場所にありますが、アクセスの難易度がやや高いのが難点です。事前にルートを確認しておきましょう。
| 移動手段 | ルート・所要時間の目安 | 筆者のアドバイス |
|---|---|---|
| 自動車 | 中国自動車道「美祢IC」より約30分 | 周辺観光をするなら車がベスト。駐車場は無料です。 |
| 飛行機 | 山口宇部空港より車で約60分 | 空港からのレンタカー利用が最もスムーズです。 |
| 新幹線・電車 | JR厚狭駅から代行バスで「長門湯本」へ | 注意! 現在JR美祢線は休止中。バスは本数が少ないため計画的に。 |
【移動のコツ】
公共交通機関は本数が限られるため、山口宇部空港や新幹線が止まる新山口駅でレンタカーを借りるのが最もストレスなく観光を楽しめる選択肢です。
武家文化が息づく客室「長門五彩の間」

界 長門の客室は山口県の伝統工芸を五感で楽しめる「長門五彩の間」というコンセプトで統一されています。
4つの伝統工芸に囲まれる贅沢
客室には、地元山口が誇る以下の工芸品が贅沢にあしらわれています。
- 徳地和紙: 寝台のヘッドボードに使用され、柔らかな灯りを演出。
- 萩焼: お茶セットの器として。手に馴染む質感が最高です。
- 萩ガラス: 涼しげな光を放つ照明やグラス。
- 大内塗: 繊細な色彩が空間のアクセントに。
殿様気分を味わえる「雲寝床」
藩主が休んだ場所を模して一段高くなった寝台には、星野リゾートオリジナルのマットレス「雲寝床」が備えられています。
※注意点
部屋の中に段差があるため、夜中にトイレに立つ際などは足元に注意が必要です。小さなお子様連れやご年配の方は特に意識しておきましょう。
美肌の湯!源泉かけ流しの温泉体験

長門湯本温泉は、古くから肌に優しい「美肌の湯」として親しまれてきました。界 長門の大浴場はその魅力を最大限に引き出しています。
泉質の魅力:あつ湯とぬる湯
- ぬる湯(源泉): 37〜38度程度で、とろりとしたアルカリ性の泉質を肌で直接感じられます。ずっと入っていられる心地よさです。
- あつ湯: 41〜42度。ぬる湯と交互に入ることで、血行が促進されリフレッシュ効果が高まります。
湯上がり処でのリラックスタイム
お風呂上がりには、音信川のせせらぎを聞ける「湯上がり処」へ。
- ご当地ドリンク: 季節ごとに変わります。8月は爽やかな「夏みかんジュース」でした。
- アイスキャンディ:火照った体に嬉しい無料サービスです。
旬を堪能!豪華懐石料理レビュー

夕食は、地元の食材をふんだんに使用した会席料理。山口ならではの食材が、目にも鮮やかな器に盛られて登場します。
2025年8月の献立一例
夕食のメインは何といっても、熱々の瓦で食材を焼く「瓦焼き」です。
- 先付:烏賊の二色和え
- 鮮度の良いイカと上品な味付けで食欲がそそられます。
- 宝楽盛り(八寸)
- 豪華な桶に盛られた圧巻の演出!SNS映え間違いなしです。
- 台のもの:河豚と鶏の瓦焼き
- 山口名物「瓦焼き」を界流に。香ばしい香りがたまりません。
- 食事:河豚皮ごはん
- ぷるぷるのフグ皮の食感と出汁の旨味が凝縮されています。
- 甘味:淡雪チーズ 夏みかん
- 最後にふさわしいさっぱりとした甘み。
ボリュームは「多すぎず、少なすぎず」の絶妙な塩梅。一品一品の説明が丁寧で、料理の背景を知りながら味わえるのが星野リゾート流のおもてなしです。
宿泊者限定!伝統「大人の墨あそび」

界 長門では山口県の伝統工芸品「赤間硯(あかますずり)」を使った無料体験が用意されています。
- 体験内容: 硯で墨をすり、ほのかに漂う香りを楽しみながら、扇子型の和紙に好きな文字や絵を綴ります。
- 予約方法:ロビー横のスペースに置かれた「参加札」を先着順で取ります。
- おすすめ: 夕食前のちょっとした隙間時間に参加すると、旅の情緒がより一層深まります。
そぞろ歩きが楽しい!長門湯本温泉街の魅力

界 長門の目の前には、美しく整備された「音信川(おとずれがわ)」沿いの温泉街が広がっています。
「あけぼのカフェ」のどら焼きは必食
宿に併設されたテラス付きカフェ。ここで買えるどら焼き(小豆・ゆず・チョコなど)は、外側が少しカリッとしていて絶品です。
- 営業時間: 11:00〜16:00(完売次第終了)
- コツ: チェックインしてすぐに買いに行くのが確実です。
夜のライトアップと川床
夜になると竹灯籠が灯り幻想的な雰囲気に。界 長門で貸し出される浴衣を着て、川床テラスで涼む時間は最高の癒やしです。
周辺観光:界 長門を拠点に山口満喫

車を使えば、山口県を代表する観光スポットへもスムーズにアクセス可能です。
- 元乃隅神社(車で約40分): 123基の鳥居が並ぶアメリカCNNでも紹介された絶景。
- 角島大橋(車で約40分):エメラルドグリーンの海を渡る日本屈指のドライブコース。
- 秋芳洞(車で約30分): 東洋最大級の鍾乳洞。夏でもひんやり17度で快適です。
- 金子みすゞ記念館(車で約15分): 仙崎の古い町並みと共に、詩人の世界に浸れます。

まとめ:泊まって分かったメリデメ
実際に宿泊してみて感じた率直な感想をまとめます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 温泉街全体を自分の庭のように楽しめる。 瓦焼きなど山口の食文化を高級感たっぷりに味わえる。 スタッフのホスピタリティが非常に高く、記念日利用に最適。 | 電車でのアクセスが不便(車やレンタカーがほぼ必須)。 客室内の段差には注意が必要。 あけぼのカフェの営業時間が短いため、計画的な訪問が必要。 |
山口の文化・歴史そして再生された温泉街の活気を肌で感じられる「界 長門」。少し贅沢な旅を計画しているなら、間違いなくおすすめできる一軒です。



