「ZIPAIRの航空券、キャンセルしたらいくら戻ってくるの?」
結論からお伝えすると、路線によってまったく違います。ソウル線なら取消手数料を引いた額が返金されますが、ハワイ・北米・東南アジア線は運賃が全額没収されます。戻るのは空港使用料と諸税だけです。
私はZIPAIRに搭乗したことがありますが、キャンセルは一度もしていません。規定が厳しいと知っているので、日程が完全に確定してから予約するようにしています。
この記事では「自分の場合いくら戻るのか」を、5つのケースで具体的に検証します。元旅行会社の営業兼添乗員としての視点も交えて解説します。
この記事でわかること
- 路線別・運賃別の払い戻し可否
- 5つのケースで見る実際の返金額
- Flex Bizパッケージという救済策
- キャンセル保険の対象事由
- 欠航時の対応と補償の範囲
結論|路線でまったく違う

まず全体像を押さえてください。ZIPAIRのキャンセル規定は、路線と運賃タイプで大きく分かれます。
| 運賃タイプ | 対象路線 | 払い戻し | 取消手数料 | 予約変更 |
|---|---|---|---|---|
| Standard Value | ソウル以外 | 不可(諸税のみ可) | 運賃は全額没収 | 不可 |
| ZIP Full-Flat Value | ソウル以外 | 不可(諸税のみ可) | 運賃は全額没収 | 不可 |
| Standard | ソウル線 | 可(手数料を引く) | 出発前5,000円/出発後15,000円 | 不可 |
| ZIP Full-Flat | ソウル線 | 可(手数料を引く) | 出発前5,000円/出発後15,000円 | 不可 |
| Flex Bizパッケージ | 全路線(ソウル線除く) | バウチャーで可 | 発行手数料3%のみ | 不可 |
ソウル線以外は返金なし
運賃名の末尾に「Value」がつくのがソウル以外の路線です。ハワイ・北米・東南アジア方面がこれに当たります。
この運賃は、運賃本体が一切戻りません。 5万円の航空券をキャンセルしても、返ってくるのは空港使用料と諸税だけです。
ソウル線は手数料を引く
ソウル線(成田〜仁川)だけは、取消手数料を差し引いた額が払い戻されます。
ただし取消手数料が運賃を上回る場合は、払い戻しゼロです。LCCならではの落とし穴なので、後ほど具体例で説明します。
日程変更は全路線で不可
見落とされがちですが、すべての路線・すべての運賃で、日程変更・便変更はできません。
名義変更や第三者への譲渡も一切不可です。「日程がずれたら変更すればいい」という発想は、ZIPAIRでは通用しません。
私が日程確定後にしか予約しないのは、この点を知っているからです。
いくら戻るか5ケース検証

規約を読んでも「自分の場合いくら戻るのか」は分かりにくいものです。代表的なケースで整理します。
ソウル線1万円の場合
成田発ソウル行きのStandardを10,000円で購入し、出発前にキャンセルした場合です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 運賃 | 10,000円 |
| 取消手数料 | -5,000円 |
| 払い戻し | 5,000円 |
半額が戻る計算です。ただし事務手数料やオプション料金が上乗せされている場合は、実際の返金額はさらに少なくなります。
ソウル線4千円の場合
同じソウル線でも、運賃が4,000円だった場合はどうなるか。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 運賃 | 4,000円 |
| 取消手数料 | -5,000円 |
| 払い戻し | 0円 |
取消手数料が運賃を上回るため、返金はゼロです。LCCのセール価格で買った場合、この状況になりやすくなります。
「ソウル線なら返金される」と思っていると、ここで裏切られます。
ハワイ線5万円の場合
ホノルル線を50,000円で購入し、キャンセルした場合です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 運賃 | 50,000円 |
| 払い戻し | 0円(全額没収) |
| 空港使用料・諸税 | 対象分のみ返金 |
運賃50,000円は一切戻りません。 ハワイや北米便は航空券が高額になりやすいため、数万円単位の損失につながります。
FlexBiz付き5万円なら
同じ5万円でも、Flex Bizパッケージを付けていた場合は結果が変わります。出発30日前までのキャンセルなら——
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 運賃 | 50,000円 |
| バウチャー発行手数料(3%) | -1,500円 |
| バウチャー返金 | 48,500円分 |
現金ではなくバウチャーですが、ほぼ全額が戻ります。 旅程が不確定な方には有力な選択肢です。
直前キャンセルは不利
ただしFlex Bizがあっても、直前キャンセルは厳しい条件になります。
| タイミング | 返金内容 |
|---|---|
| 出発30日前まで | 全額相当(3%手数料あり) |
| 出発7日前まで | 80%相当(3%手数料あり) |
| 出発6日前〜当日 | 諸税のみ(現金) |
「Flex Bizがあるからいつでも全額戻る」とは考えないでください。
ソウル以外は原則返金なし

ここからは路線別に詳しく見ていきます。まずソウル線以外です。
戻るのは諸税だけ
ハワイ・北米・東南アジア方面でキャンセルした場合、払い戻しの対象は限られます。
| 項目 | 払い戻し |
|---|---|
| 航空運賃(本体) | 不可(全額没収) |
| 空港使用料・諸税 | 可(全額) |
| 機内食・座席指定などオプション | 不可 |
| 旅のキャンセル保険 | 不可 |
諸税が払い戻されるのは、航空会社が実際に空港や税務当局へ支払うものだからです。旅行しなければ支払いが発生しないため、返金されます。
逆に言えば、それ以外は何も戻りません。
請求期限は90日以内
見落としやすい重要な期限があります。 払い戻しの請求期限は、搭乗予定日から90日以内です。
「そのうち手続きしよう」と放置していると、諸税すら返ってこなくなります。キャンセルを決めたら、すぐに手続きしてください。
返金は1〜2ヶ月かかる
返金までの期間は、支払い方法によって大きく異なります。
| 支払い方法 | 返金までの期間 |
|---|---|
| クレジットカード | 約1〜2ヶ月 |
| Union Pay | 約1週間 |
| WeChat Pay | 通常1日程度 |
| Alipay | Alipayへ問い合わせ |
クレジットカード払いが最も時間がかかります。多くの方がカード払いだと思いますので、1〜2ヶ月かかる前提で考えてください。
ソウル線の取消手数料

続いてソウル線です。唯一、運賃の払い戻しが可能な路線になります。
出発前5000円が引かれる
取消手数料は、出発の前後と出発方向で変わります。
| タイミング | 東京(成田)→ソウル | ソウル→東京(成田) |
|---|---|---|
| 便出発前 | 5,000円 | 50,000ウォン |
| 便出発後 | 15,000円 | 150,000ウォン |
出発後でもキャンセル手続きができるのは意外かもしれませんが、手数料は3倍になります。
運賃を上回ると返金ゼロ
前述のとおり、取消手数料が運賃を超えると払い戻しはありません。
ZIPAIRのソウル線は、セール時に片道数千円で販売されることがあります。安く買えたときほど、キャンセル時の返金はゼロに近づくという構造です。
「安いから気軽に押さえておこう」は危険だと考えてください。
事務手数料も戻らない
ソウル線でも、次の費用は払い戻し対象外です。
| 項目 | 払い戻し |
|---|---|
| 運賃(手数料差し引き後) | 可 |
| 空港使用料・諸税 | 可(全額) |
| 事務手数料 | 不可 |
| 機内食・座席指定などオプション | 不可 |
「払い戻し可能」でも、実際に戻る金額はかなり少なくなることがあります。手続き前に、予約確認画面で内訳を確認してください。
ソウルの宿泊エリアは診断付きで比較できます。

FlexBizなら返金できる

2024年7月から、ZIPAIRは「Flex Bizパッケージ」の販売を開始しました。 ソウル線以外でも返金を受けられる、唯一の救済策です。
30日前までなら全額相当
Flex Bizを航空券と同時に購入しておくと、キャンセル時にバウチャーで返金を受けられます。
パッケージに含まれるサービスは3つです。
| サービス | 内容 |
|---|---|
| バウチャーによる払い戻し | キャンセル時に次回使える電子クーポンで返金 |
| 機内持ち込み手荷物の追加 | 通常7kg → 合計15kgまで |
| 事前座席指定 | 追加料金なしで指定可能 |
手荷物追加と座席指定が付くので、キャンセルしなくても元が取れる可能性があります。
バウチャーは180日で失効
最大の注意点がここです。 バウチャーの有効期限は、発行日から180日以内です。
その他の制約も整理します。
- バウチャーは本人のみ使用可能(譲渡不可)
- バウチャーで予約した航空券にはキャンセル保険を付帯できない
- 米国・カナダ便は予約から24時間以内かつ出発7日以上前なら現金で全額返金(Flex Biz不適用)
「半年以内に再び旅行する予定がある方」に向いているオプションだと考えてください。期限内に使わなければ、バウチャーは無効になります。
ソウル線は対象外
Flex Bizパッケージはソウル線では販売されていません。 ソウル線はStandardの払い戻しルールが適用されます。ソウル線はもともと返金可能なので、Flex Bizの必要性が低いという設計です。
キャンセル保険という手段

Flex Bizとは別に、ZIPAIRは「旅のキャンセル保険」も販売しています。
航空券と同時購入が必須
この保険の特徴は、海外旅行保険に加入しなくても利用できる点です。従来はキャンセル補償を受けるために海外旅行傷害保険の特約として申し込む必要がありましたが、ZIPAIRではこの補償だけを選べます。
ただし航空券との同時購入が条件です。保険だけを後から買うことはできません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 購入できる方 | 日本在住のZIPAIR航空券購入者 |
| 加入のタイミング | 航空券との同時購入のみ |
| 保険料の目安 | 航空券・各種サービス合計額の約9% |
後から追加することはできません。 予約時に判断する必要があります。
自己都合は対象外
補償の対象になる事由は限定されています。
- 本人・配偶者または親族の死亡・危篤
- 医師の指示による旅行中止
- 空港までの交通機関の1時間以上の遅延
- 旅行先での地震・噴火・津波
- 旅行先での自然災害による避難指示
- 飼い犬・飼い猫の死亡・危篤
「気が変わった」「他の旅行に行きたくなった」という自己都合は対象外です。
保険料は約9%が目安
5万円の航空券なら保険料は約4,500円です。Flex Bizと比べてどちらが得かは、キャンセル理由の想定によります。
| 想定 | おすすめ |
|---|---|
| 旅程が未確定・変更の可能性がある | Flex Biz |
| 日程は確定・急病などが心配 | キャンセル保険 |
| 日程が完全に確定している | どちらも不要 |
私はどちらも使わず、日程が完全に確定してから予約するという方法を取っています。オプション料金を払わずに済むのが利点です。
欠航時は全額返金される

ここまでは「お客さま都合」の話でした。ZIPAIR側の都合による欠航・遅延は、まったく別のルールが適用されます。
ZIPAIR都合なら全額
機材トラブルや悪天候などでZIPAIRが欠航した場合、2つの選択肢があります。
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| 全額払い戻し | 運賃・付帯サービス料金・諸税をすべて返金 |
| 便および日程の変更 | 出発予定日の前後14日以内で変更可(手数料なし) |
通常は不可な日程変更が、このケースでは可能になります。しかも手数料はかかりません。
前後14日で便変更も可
変更できる範囲は前後14日以内です。旅程を組み直せる余地があるので、「どうしても行きたい」という場合は変更を選ぶ手もあります。
なお払い戻しの請求期限は、変更となった航空便の搭乗予定日から90日以内です。
宿泊費は補償されない
重要な注意点があります。 遅延や欠航によって生じた宿泊費・交通費などの二次的な費用は、ZIPAIRが一切補償しません。
- 現地で予約していたホテル代
- 別の交通機関への振替費用
- 現地ツアーのキャンセル料
これらは自己負担です。海外旅行保険で備えておくことをおすすめします。
キャンセル手続きの方法

実際の手続きの流れを整理します。
オンラインで完結する
ZIPAIRのキャンセルは、すべてオンラインで完結します。電話やメールでの受付は基本的に行っていません。
- ZIPAIR公式サイト(zipair.net)にアクセス
- 画面上部の「予約の確認・変更」をクリック
- 予約一覧からキャンセルしたい予約を選択
- キャンセル手続きを実行
- 返金(またはバウチャー発行)の確認メールを受け取る
保険加入時は電話が必要
例外があります。 キャンセル保険や海外旅行保険を購入済みの場合、ウェブからのキャンセルができないケースがあります。
その場合はZIPAIRのコンタクトセンターへ問い合わせが必要です。保険を付けた方は、この点を覚えておいてください。
バウチャーは番号で使う
Flex Bizを購入している場合、キャンセル完了後に6桁のバウチャー番号と6桁のPINがメールで届きます。
次回の予約時にこのコードを入力すればバウチャーを使えます。メールを紛失しないよう、番号は別途控えておくのが安全です。
よくある質問にお答え

予約前に確認しておきたい点をまとめました。
名義変更はできるのか
予約内容の変更についてです。
予約直後でも返金なし
購入直後のキャンセルについてお答えします。
どの運賃を選ぶべきか
予約時の判断基準です。
韓国旅行を安く抑える方法をまとめています。

まとめ|予約前に確認を
ZIPAIRはLCCならではの価格が魅力ですが、キャンセル規定は厳しく設定されています。
私がZIPAIRを使うとき、日程が完全に確定するまで予約しないのは、この規定を知っているからです。「安いから押さえておこう」という感覚で予約すると、変更もキャンセルもできず後悔することになります。
最後に、押さえておきたいポイントを整理します。
- ソウル線以外は運賃が全額没収。戻るのは諸税だけです
- ソウル線でも安い運賃は返金ゼロ。取消手数料5,000円を下回る場合
- 予約変更は全路線で不可。名義変更・譲渡もできません
- Flex Bizは30日前までなら全額相当。ただしバウチャーは180日で失効
- キャンセル保険は同時購入のみ。自己都合は対象外です
- 請求期限は搭乗予定日から90日以内。放置すると諸税も戻りません
予約前にキャンセル規定を確認し、リスクに応じてFlex Bizか保険を検討する。それが最も確実な備えです。
LCCのビジネスクラスに乗った体験レビューはこちらです。

※ZIPAIRのキャンセル・払い戻し規定、Flex Bizの条件、運賃規則は変更される場合があります。予約前・手続き前には必ずZIPAIR公式サイトの「予約の変更・キャンセルについて」「運賃規則表」をご確認ください。



