「釜山に行くなら、せっかくだから全部回りたい」——そう思って詰め込みすぎた結果、移動ばかりで疲れてしまった。そんな経験、ありませんか?
釜山は海雲台・西面・南浦洞など、エリアごとに個性がはっきりしている街です。だからこそ、全部を回ろうとすると移動時間に追われ、肝心の「海を眺めてゆっくりする時間」が消えてしまいます。
この記事では、実際に釜山を旅した筆者が「今回は行かなくてよかった」と感じた場所を3つ紹介します。行かなくていい理由と、代わりに時間を使いたい場所も合わせてお伝えするので、旅のプランを組み立てる前にぜひ参考にしてみてください。
特に2泊3日などの短い日程で釜山を旅する方にとって、引き算の発想は旅の満足度を大きく左右します。後悔しない旅のために、一緒に優先順位を整理していきましょう。
釜山観光は引き算がちょうどいい

釜山観光を最大限に楽しむためには、「どこに行くか」よりも「どこを削るか」を先に考えることが重要です。欲張りすぎるプランは、かえって満足度を下げてしまうことがあります。
釜山はエリアが意外と広い
釜山は「近場の海外旅行先」として人気ですが、実は市内のエリア間の距離が想像以上に広い都市です。たとえば、観光の拠点となることが多い海雲台と南浦洞の移動には、電車で約40〜50分かかります。そこからさらにセンタムシティやチャガルチ市場、釜山タワーへと足を伸ばすと、移動だけで1日の大半が終わってしまうことも珍しくありません。
下の表は、釜山の主要エリア間の移動時間の目安です。宿泊エリアと観光エリアの組み合わせによっては、往復で2時間近くかかるケースもあります。
| 出発エリア | 目的地 | 移動時間の目安(電車) |
|---|---|---|
| 海雲台 | 南浦洞 | 約40〜50分 |
| 海雲台 | センタムシティ | 約10〜15分 |
| 西面 | チャガルチ市場 | 約10〜15分 |
| 西面 | 海雲台 | 約30〜40分 |
| 南浦洞 | 釜山タワー | 徒歩約10〜15分 |
釜山はコンパクトな都市に見えて、エリアをまたぐ移動には意外と時間がかかります。旅の計画を立てる前に、エリア感覚をしっかり把握しておくことが大切です。
エリア間の移動が多い釜山では、地下鉄検索や地図アプリを頻繁に使います。通信環境が不安定だとそれだけでストレスになるので、出発前にeSIMを準備しておくと安心です。
移動時間が満足度を下げる
旅の疲れは、観光そのものより移動によって生まれることが多いです。特に釜山のような都市では、地下鉄の乗り換えや待ち時間、歩く距離が積み重なることで、気づかないうちに体力が削られていきます。
「あの場所にも行った、この場所も行った」と数をこなした旅ほど、帰国後に「なんとなく疲れただけだった」と感じてしまうことがあります。移動にかける時間を減らすだけで、旅の満足度は大きく変わります。エリアを絞ることで、街をゆっくり歩いて感じる余裕が生まれます。
時間がない旅ほど優先順位が決め手
2泊3日という限られた時間で釜山を楽しむためには、「やること」を増やすよりも「削ること」に時間をかける方が賢明です。釜山の最大の魅力は、海と絶景と食事です。それを存分に堪能するためには、それ以外の要素をあえて切り落とす勇気が必要です。
釜山を初めて旅するなら、まずは「海雲台・西面・南浦洞」の3エリアを軸に旅程を組むのがおすすめです。詳しいモデルコースはこちらの記事でも紹介しています。

後回しにした場所①:センタムシティ

センタムシティは釜山随一のショッピング・ビジネスエリアとして知られています。しかし釜山観光という視点から見ると、優先順位はそれほど高くないと感じました。その理由を詳しく解説します。
巨大モールで快適な商業地区
センタムシティには、世界最大級のデパートとしてギネス記録を持つ「新世界百貨店センタムシティ店」があります。広大なショッピングモールには高級ブランドから大衆向けのショップまでが揃い、映画館やスパ施設も充実しています。
買い物を目的に釜山を訪れるなら、確かに魅力的なエリアです。雨の日や暑い日でも快適に過ごせるため、天気が悪い日の選択肢としては有力です。しかし、釜山らしい体験を求めている方には、やや物足りなさを感じるかもしれません。
釜山らしさはやや薄い
センタムシティは都市の商業地区として非常に洗練されていますが、「釜山に来たからこそ体験できる」という感覚は薄めです。同じようなショッピングモールは韓国国内の他の都市にも存在しますし、日本でも似た体験ができます。
釜山の魅力は、やはり海と山と下町が混在する独特の景観にあります。センタムシティはその文脈から少し外れたエリアといえるでしょう。
移動時間に見合うかが鍵
海雲台からセンタムシティへは電車で約10〜15分と比較的近いですが、時間が限られている旅ではこの往復30分も積み重なると惜しく感じます。センタムシティに行くなら、ショッピングを旅の主目的として設定しているか、雨天など天気の悪い日に絞るのがおすすめです。
向いている人の特徴
センタムシティが向いているのは、次のような方です。
- 韓国コスメや免税品を大量購入したい方
- 雨や悪天候で屋外観光が難しい日に時間を有効活用したい方
- スパやエステなどリラクゼーションを旅に組み込みたい方
- 買い物メインで釜山を訪れている方
逆に、「釜山らしい風景を楽しみたい」「海や食事にフォーカスしたい」という方には、他のエリアに時間を使うほうが満足度は高くなるでしょう。
センタムシティ内のスパやリラクゼーション施設を利用する場合は、事前予約のほうがスムーズなこともあります。混雑する週末や繁忙期は特に注意が必要です。
代わりに行きたい海エリア
センタムシティの代わりに時間を使いたいのは、やはり海雲台や広安里の海沿いです。徒歩や自転車でビーチ沿いを散策するだけで、釜山らしい景色と開放感を満喫できます。センタムシティに費やす1〜2時間があれば、海辺でゆったり過ごすことができます。
海雲台と広安里のどちらに滞在するか迷っている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

後回しにした場所②:チャガルチ市場

釜山といえばチャガルチ市場、というほど知名度が高い観光スポットです。しかし実際に訪れた印象と、SNSや旅行ブログで語られているイメージには、少しギャップがありました。
釜山を代表する海鮮市場
チャガルチ市場は、韓国最大規模の魚介類市場として知られています。1階には新鮮な魚介がずらりと並び、2階の食堂では購入した魚介をその場で調理してもらうこともできます。市場の活気ある雰囲気は確かに独特で、韓国の食文化を感じられる場所です。
釜山の観光ガイドにはほぼ必ず登場するスポットであり、「釜山に行ったらチャガルチ」という認識を持っている方も多いでしょう。
観光価格になりやすい
チャガルチ市場の正直な注意点として、観光客向けの価格設定になりやすいという点があります。特に外国人観光客が多いエリアでは、メニューに価格表示がなかったり、想定より高い金額を請求されるケースがあるという情報も見られます。
せっかく新鮮な海鮮を食べようとして、後味の悪さが残る体験をしてしまうのは避けたいところです。もちろんすべてのお店がそうではありませんが、初めての訪問者は注意が必要です。
海鮮なら他にも選択肢がある
釜山で海鮮を楽しむ方法は、チャガルチ市場だけではありません。西面エリアには地元の人も通う海鮮居酒屋が並んでいますし、海雲台や機張(キジャン)エリアにも新鮮な海鮮を食べられる店が多くあります。
「釜山グルメといえば海鮮だけではない」という視点も重要です。テジクッパ(豚骨スープ)やミルミョン(小麦粉麺)など、釜山ならではのローカルフードも見逃せない存在です。

市場体験が好きな人向け
チャガルチ市場が特に向いているのは、次のような方です。
- 市場の雰囲気や活気そのものを楽しみたい方
- 新鮮な魚介類を自分で選んで調理してもらいたい方
- 韓国の下町文化・庶民の食を体験したい方
- 南浦洞エリアを観光するついでに立ち寄れる方
価格交渉やお店選びが不安な方は、ローカルガイド付きのグルメツアーを利用する方法もあります。初心者でも安心して市場体験ができます。
グルメ重視なら別エリアを検討
「釜山でおいしいものを食べたい」という目的だけであれば、西面の繁華街や海雲台の飲食街のほうが選択肢も多く、価格も安定していることが多いです。グルメ重視の方は、チャガルチ市場よりも西面や海雲台のグルメ街を優先するほうが満足度は高くなる可能性があります。
後回しにした場所③:釜山タワー

釜山タワーは龍頭山公園(ヨンドゥサン公園)の頂上に立つ展望タワーで、釜山のシンボル的存在です。しかし展望スポットとして比較すると、釜山の夜景を楽しむ最適解ではないかもしれません。
定番の展望スポット
釜山タワーは南浦洞エリアからも近く、地下鉄南浦(ナンポ)駅からのアクセスも良好です。展望台からは釜山港や影島(ヨンド)方面が見渡せ、昼間は街の眺望を楽しむことができます。入場料も比較的リーズナブルで、気軽に立ち寄れるスポットです。
展望台としては小規模
率直にいうと、釜山タワーの展望台は規模がそれほど大きくなく、眺望の感動度はやや控えめです。高さ約120メートルの展望台からの眺めは悪くはありませんが、「これが釜山最大の絶景か」という期待を持って訪れると、拍子抜けしてしまうかもしれません。
特に夜景を目的に訪れる場合、釜山の夜景の本命は別の場所にあります。
本命夜景は海側にある
釜山の夜景といえば、広安里の広安大橋を中心としたウォーターフロントの夜景が圧倒的なスケールを誇ります。海に浮かぶように輝くブリッジライトと、ビーチ沿いに連なる建物の光が一体となった風景は、タワーからの眺めとは比べものにならない迫力があります。
釜山タワーに行く時間があるなら、その時間を広安里や海雲台の夜景散歩に使うほうが、はるかに印象深い体験になるでしょう。
海雲台エリアで夜景や海沿い散策を楽しむなら、ブルーラインパークの海辺列車も人気です。夕方〜夜の時間帯は特に混み合うため、事前予約をしておくと安心です。
街を一望したい人向け
釜山タワーが向いているのは、次のような方です。
- 南浦洞や国際市場を観光するついでに立ち寄りたい方
- 展望タワーそのものが好きな方
- 昼間に釜山港の全景を眺めたい方
- 甘川文化村と組み合わせて南部エリアを1日で回る旅程の方
夜景なら海雲台や広安里で
夜景を楽しむことが目的なら、海雲台や広安里に宿泊し、海沿いを散歩するのが断然おすすめです。高いところから見下ろすのではなく、海に面してまっすぐ広がる夜景を正面から体感できるのが、釜山の海エリアの最大の魅力です。
宿泊エリアを海雲台にするか広安里にするかについては、こちらの記事で詳しく比較しています。

海雲台や広安里エリアは人気が高く、特に週末は満室になりやすい傾向があります。日程が決まっている方は、早めに料金をチェックしておくのがおすすめです。
3つに共通した後回しの理由

センタムシティ・チャガルチ市場・釜山タワーの3か所を後回しにした理由には、共通した考え方があります。それは「釜山でしかできない体験かどうか」という基準です。
釜山でしかできない体験か
旅先を選ぶとき、その場所でしかできない体験に優先順位を置くと、後悔が少なくなります。センタムシティのようなショッピングモールは他の都市でも体験できますし、チャガルチ市場に似た海鮮市場は他の港町にも存在します。釜山タワーも、規模という点では国内外に上回る展望台があります。
一方、広安大橋の夜景、海雲台のビーチ、甘川文化村のカラフルな街並みは、釜山にしかない体験です。限られた時間の中で、釜山固有の体験を優先するのは自然な選択でしょう。
甘川文化村については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

移動時間と満足度のバランス
後回しにした3か所の共通点として、「行くために使う移動時間に対して、得られる満足度が低い」というバランスの問題があります。もちろんこれは個人差がありますが、時間が限られている場合にはこのコスパ感覚が特に重要になります。
たとえばチャガルチ市場に行くために南浦洞まで移動し、市場を見て、また戻ってくると、合計で2〜3時間が消えます。その時間を海雲台のビーチ沿いの散歩や、地元の食堂でのんびり食事をするのに使ったほうが、旅の充実感は高まりやすいです。
海の時間を削らない設計
釜山旅行の目的として最もよく挙げられるのは「海が見たい」「夜景が見たい」という声です。にもかかわらず、多くの観光地を詰め込むことで、その目的に使える時間が削られてしまうのは本末転倒です。
旅のプランを組む際は、「海と夜景に使う時間をどれだけ確保できるか」を起点に考えると、後悔のない旅になりやすいです。他の観光スポットはその残り時間で検討するくらいのバランスが、釜山という都市にはちょうどよいと感じます。
それでも行く価値がある人

後回しにした3か所を紹介しましたが、もちろんこれらのスポットに価値がないというわけではありません。旅のスタイルや目的によっては、十分に訪れる価値があります。
初釜山で王道を押さえたい
「釜山に初めて来たから、有名どころはすべて見ておきたい」という気持ちはとても自然です。チャガルチ市場も釜山タワーも、釜山を語る上で外せないアイコン的な存在であることは確かです。初めての釜山で王道コースを歩みたい方は、これらのスポットを旅程に入れること自体は間違いではありません。
ただし、その場合でも1か所あたりの滞在時間を1時間以内に抑えてさっと見るスタイルにすると、移動疲れを防ぎつつ定番を押さえることができます。
雨天や時間に余裕があるとき
悪天候の日は屋外観光が難しくなります。そんなとき、センタムシティの巨大ショッピングモールはとても便利な選択肢です。また、旅程に余裕があって「今日は特にやることがない」という日には、これらのスポットを気軽に探索するのもよいでしょう。
「後回し」とは「絶対に行くな」ではなく、「晴れている日・時間が限られている日は優先しなくてよい」という意味で使っています。天気や体調、気分に応じてフレキシブルに判断することが大切です。
テーマを決めた旅行向き
買い物がテーマの旅ならセンタムシティは主役になります。「韓国の食文化を体験したい」という旅ならチャガルチ市場は欠かせない場所になるかもしれません。旅のテーマを明確にした上でプランを組むと、後回しにした場所が逆に「行くべき場所」に変わることもあります。
大切なのは、「みんなが行っているから」という理由だけで訪れるのではなく、自分の旅の目的と照らし合わせて判断することです。
まとめ:釜山は削る旅で満足する
釜山観光で後回しにしてよかった3か所と、その理由について詳しくお伝えしました。最後に要点を整理します。
海に時間を使うほうが満足度は上がる
釜山という都市の最大の魅力は、海・夜景・食事の三拍子が揃っていることです。その魅力を最大限に体験するためには、エリアを絞り、移動を減らし、海の時間を確保することが何より重要です。「あれもこれも」と詰め込んだ旅より、「これだけを徹底的に楽しむ」旅のほうが、帰国後の満足感は高くなりやすいです。
2泊3日ならエリアを絞るのが正解
2泊3日という限られた日程でベストな釜山体験をするなら、海雲台・西面・南浦洞の3エリアを中心に据えて、各エリアを深く楽しむのがおすすめです。移動を最小限にすることで、街歩きや食事にじっくり時間を使えます。
具体的なモデルコースはこちらの記事で紹介しています。旅のプランを組む前にぜひ参考にしてみてください。

迷ったら移動が多い場所を外す
旅のプランを組んでいて「ここを入れるか迷う」というスポットがあったとき、判断基準はシンプルです。「そこに行くために必要な移動時間は、その体験に見合っているか」という問いを立ててみてください。
答えが「ちょっと微妙かな」なら、思い切って外してみましょう。その判断が、釜山旅行の満足度を一段上げる引き算になるはずです。
| スポット | 後回しにした主な理由 | 向いている人 |
|---|---|---|
| センタムシティ | 釜山らしさが薄い・移動コストがかかる | 買い物好き・雨天時に最適 |
| チャガルチ市場 | 観光価格・海鮮なら他にも選択肢あり | 市場体験好き・南浦洞観光のついで |
| 釜山タワー | 夜景の迫力は海側が上・規模が小さい | 南浦洞観光のついで・街の全景を見たい人 |
釜山旅行は、削れば削るほど深く楽しめる都市です。ぜひ「引き算の旅」を意識して、最高の釜山体験を作り上げてください。
海雲台ブルーラインパークなど、釜山ならではの絶景体験については、こちらの記事もあわせてどうぞ。



